「Chrome」はGoogleがインターネットの標準規格をリードするためのツール

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 おおよそ10年前の2008年9月。Googleが突如としてリリースしたのはWebブラウザの「Google Chrome」(Chrome)だ。当時、GoogleはWebブラウザをリリースした理由として、同社のビジネスはWebブラウザ上で展開しているため自社で開発する必要があるためだとしていた。しかし、いまはGoogleがインターネットの標準化規格でリードするためにあるといっていいだろう。

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 具体的には、Googleが中心となって開発したWebブラウザ上でアプリのような操作性を実現する技術「Ajax」と、Webページの読み込みを早くする「SPDY」だ。これが現在では、標準規格の「HTML5」と「HTTP/2」の基礎になった。標準規格なのでもちろんFirefox、Safari、Microsoft Egde(Egde)、Intenet Explorer(IE)、Operaも対応している。

 しかし、それぞれのWebブラウザが独自に新技術を搭載したため、混乱した時期があった。JavaScript、VBScript、ActiveX、Flash、Silverlight、CSS、Javaアプレットなどの技術だ。

Internet Explorer vs Netscapeのブラウザ戦争

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 こんな混乱が始まったのは1995年のWindows 95の発売時から間もなく。それまでは、Webブラウザーと言えばNetscapeが一般的だったが、マイクロソフトがWindowsにIEを標準搭載したことで、一気にシェアを伸ばした。

 いま考えるとひどいもので、お互いに独自機能を実装。Webブラウザ上で動作するスクリプトとしてIEはVB Script、NetscapeはJavaScriptを採用。CSSの挙動も異なっていた。大げさな話ではなく、WebサイトはIE用とNetscape用の2つを作る必要があったほどだ。

 このWebブラウザ戦争だが、2000年頃にIEの勝利で終了した。

再びWebブラウザ戦争が勃発したが高速化や使い勝手で競争

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 しかし、2004年にNetscapeの流れを汲んだオープンソースソフトウェア「Firefox」がリリースされたことにより、再びWebブラウザ戦争が始まった。しかし、IEとNetscapeのブラウザ戦争とは異なっていた。それは、各Webブラウザとも標準規格を遵守しているが、高速化や使い勝手などを競ったという点だ。さらに、新しい技術を開発したら、その仕様を公開してほかのWebブラウザにも搭載をうながすという流れになった。

 例えばGoogleが開発してChromeに導入したWebページの読み込みを高速化させる技術「SPDY」。Googleは技術を独占することなく、オープンソースプロジェクトとして他社と共同で開発。IEとFirefoxにも搭載された。そののちSPDYを基礎に改良が加えられ「HTTP/2」という標準規格となる。Ajaxも同じく、HTML5の基礎になった。

 なお、このようなWebブラウザの歴史は「フォクすけFirefox情報局」の「Firefox の歴史を学ぼう!!」にてPDFで配布されている。

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フォクすけの Firefox 情報局 - ダウンロード
日本発の Firefox のプロモーション活動をサポートしてくれるマスコットキャラクター「フォクすけ」による Firefox の情報局です。壁紙やバナーも公開中。

インターネットの規格を決める「IETF」は実績重視

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 これらHTTP/2などのインターネットにおける標準化や規格を管理する団体が「IETF」だ。IETFは、将来の構想よりも、現在、動いているという実績を重視する。これは、Googleにとって非常に有利だ。

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 というのも、新しい技術はWebブラウザだけではなく、利用するサービスも対応しなければ意味がない。その点、GoogleはWebブラウザーのほかに、無数のサービスを提供している点が強い。GoogleがChromeとサービスに新技術を搭載すると、ユーザーが気がつかないうちに使っているというわけだ。これが、新技術の実績につながっている。実際に、このブログもHTTP/2を採用している。しかし、気がつく人は少ないだろう。

Webサイトのうち31.4%はHTTP/2

 このHTT/2だが調査会社のW3Techによると、Webサイトのうち31.4%が採用しているという。Googleにおいては、サービスはほぼすべてでHTTP/2を採用している。

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https://w3techs.com/technologies/details/ce-http2/all/all

Webブラウザとサービスを持つのはGoogleとマイクロソフトだけ

 このようにWebブラウザとサービスを持っている企業は少ない。Webブラウザをリリースしている団体や企業は主に、Googleのほか、Mozzilaプロジェクト(Firefox)、マイクロソフト(IE)、Apple(Safari)、Opera。そのうち、Webブラウザーを用いた数多くのサービスを持っているのはGoogleとマイクロソフトくらいだ。

 さらに、さまざまな統計があるがStatCounterによると、20018年10月現在のWebブラウザの世界シェアはGoogle Chromeは61.55%、Safariは15.13%、Firefoxは5.02、UC Browserは3.16%、IEは2.88%だ。もはや、ChromeはWebブラウザにおいて圧倒的なシェアを得ている。今後、Webの新技術を投入する際、Googleに有利に働くことは目に見えている。

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StatCounter Global Stats - Browser, OS, Search Engine including Mobile Usage Share
Tracks the Usage Share of Search Engines, Browsers and Operating Systems including Mobile from over 10 billion monthly page views.

HTTP/3もGoogleがリード

 実際に現在、Googleを中心にHTTP/2に続く新しい通信技術「QUIC」の開発が進んでいる。このQUICは、これまでIETFでは「HTTP-over-QUIC」と呼んでいたが。しかし、IETFでHTTPの標準化策定に携わっているDaniel Stenberg氏によると、名称が「HTTP/3」に変更されたとのことだ。

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HTTP/3 | daniel.haxx.se

 これは、Googleが開発したQUICが基礎となり、次世代のHTTPである「HTTP/3」が標準規格として策定される可能性が高いということ。これも、GoogleのChromeとサービスで利用実績があり、正常に動作していることが重視されたためだろう。

 このようにWebブラウザでの圧倒的なシェアと、数多くのWeb上のサービスを提供しているGoogle。今後も新技術において優位に立てる。

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