仕事用に音声通話の電話番号が欲しくて、NTTコミュニケーションズの「050 plus」を契約した。しかし、しばらく使っていくうちに、IP電話ではなく、050の“ 番号 ”の信頼性が低いことに気が付いた。
追加の音声通話サービスに求めること
わたしが電話番号が欲しい理由は、
- プライベートと仕事の電話料金を分離したい
- 固定電話あての通話料金を安くしたい
の2点だ。
携帯電話の履歴を確認すると、発着信とも固定電話が多い。現在は、通話はBIGLOBEモバイルの「BIGLOBEでんわ」を利用している。この場合、料金は30秒9円だ。ひかり電話の場合、距離に関係なく3分8円のため、6.75倍もの差がある。
また、電話をかけてくる相手にも負担をかけることになる。わたしは、BIGLOBEモバイルの音声通話は、ドコモの回線を利用している。その場合、ひかり電話からの通話料金は、60秒16円。固定電話からIP電話などの固定電話の通話は、3分8円なので6倍もの負担をかけることになる。
選択肢は2つ+α
その上で考えられる音声通話サービスとして、
- BIGLOBEモバイルのIP電話サービス「BIGLOBEフォン・モバイル」
- ひかり電話の追加番号:月額100円
- 他社のIP電話サービス
の2つ+αの選択肢がある。
BIGLOBEモバイルのIP電話サービス
BIGLOBEモバイルは、IP電話サービスも提供している。わたしはBIGLOBEモバイルを利用しているので契約は簡単だ。第一の候補だと思ったが、すでにサービスが終了していた。
ひかり電話の「追加番号」
わたしはほとんど自宅で仕事をしており、外に出る事は少ない。そのため、固定電話でも問題はなさそうだ。自宅はフレッツ光を契約しているので、ひかり電話のオプションサービスを調べると、わずか月額100円で番号が追加できることが分かった。
スマホにIP電話のアプリをインストールすると、それで2つめの番号が使える。ただ、外に出る事は少ないとはいえ、スマホに慣れてしまったいま、固定された電話番号を契約するのは考えにくい。
他社のスマホ向けIP電話サービス――選んだのは「050 plus」
結局、たどり着いたのが他社のIP電話サービスだ。その中で、NTTコミュニケーションズ(NTTコム)の「050 plus」を選んだ。050 plusの特徴の1つに、下4桁が指定できることがあげられる。試しに携帯電話の下4桁を指定したらあいていた。これで、名刺には第一の番号として050 plusを、予備として携帯電話の番号を記すと見た目がよい。
基本利用料金は月額300円、通話料金は固定電話への発信は3分8円、携帯電話は1分16円だ。留守番電話が標準サービスとして提供されるのも評価できる。また、NTTコム格安SIMサービス「OCN モバイル ONE」とセットで契約すると、050 plusの基本料金が月額150円に値引きされる。
他のスマホ向けIP電話は?
050 plusを契約するにあたって、いくつか同様のサービスを検討した。
IP-Phone SMART
楽天コミュニケーションズが提供する「IP-Phone SMART」も候補にした。特徴は、基本料金が不要ということ。また、友人によれば、IP電話のアプリやIP-PBXとの接続で悩むことは少ないらしい。
しかし、国内の固定電話への通話料金は、30秒8円と高額だ。050 plusは3分8円なので、6倍もの差がある。さすがに高すぎる。通話料金の削減にはつながらないので、候補から外した。
LaLa Call
「LaLa Call」はケイ・オプティコムが提供するIP電話サービス。基本料金が100円で、通話料金は050 plusと同じという価格設定が魅力だ。
通話料金は、携帯電話は30秒8円、固定電話は3分8円で050 plusと同額だ。しかし、050 plusのように電話番号の下4桁は選べない。050 plusの基本料金は月額300円でLaLa Callは月額100円だ。電話番号が選べる月額300円の050 plusか、基本料金が月額100円のLaLa Callか月額200円の差で悩んだが、050 plusを選んだ。
また、ケイ・オプティコムが提供する光接続サービス「eo光」または、格安SIMの「mineo」と契約を1つにまとめると、1か月で100円分のLaLa Callの無料通話が付いてくる。LaLa Callの基本料金は月額100円のため、実質、無料で利用できる。
「050」は怪しい番号
050 plusを契約して早速、電話をかけるとなかなか電話に出ない。外出でもしているのかな?と思い、切ろうとしたらところ電話に出てくれた。「電話から離れた場所にいらしたのですか。お手数をおかけしました」と言うと、「050なので勧誘電話だと思って…」という返事が返ってきた。確かにそうだ。わたしも050の電話がかかってきたら、少し警戒をしてしまう。
IP電話の050は、携帯電話や固定電話(いわゆる「0AB~J」)よりも番号が取得しやすい。そのためか、勧誘電話で多く使われている。思い返すと、050 plusを契約した時は、クレジットカードの番号と、すでに持っている携帯電話に送られてくるSMSが本人認証の代わりだったのだろう。しかし、携帯電話や固定電話は、運転免許証などの身分証明書の写しが必要で、IP電話サービスよりも本人確認が厳格だ。
050はインターネットにつながるなら、どこでも発着信ができる。自宅の無線LANでも、外出中のLTEでも、海外のフリーのWi-Fiから着発信しても、相手は分からない。IP電話のソフトをインストールしたら、スマホをはじめとして、パソコンでも、IP電話の固定電話でも端末として使える。従来の電話とは異なり、非常に自由だ。
本人認証を厳格化させて怪しい番号から脱して欲しい
050を信頼できる番号にしていくには、携帯電話や固定電話と同じ程度の本人確認が必要。これまでに契約された電話番号はどうするのか、契約時の身分証明書の確認が必要など、事業者側の負担が多くなるだろうが、050も信頼される番号にしてほしい。
※価格はいずれも税別